節約において最も重要なのが固定費の見直しです。
固定費を見直すことで、それ以降は何もしなくても勝手に支出が減った状態が継続するからです。
固定費の見直しで最も効果があると思われるのが、「保険の見直し」です。
当記事では、保険の見直しの必要性とその効果を私の実体験をもとにして解説したいと思います。
結論から言うと、月額2万円近く節約できました!
保険を見直すべき理由:なぜ今、保険の見直しが必要なのか
そもそも、日本人は保険大好きな国民性であり、一般的に保険に加入しすぎています。
よくあるのが、会社に新社会人として入社した際に保険のおばちゃんに勧誘されて入ってしまうというパターン。
私の後輩も執拗なセールス攻撃にあって入りそうになっていました。
入らないと開放しないといわんばかりの圧で、貴重な昼休みを削りに来る・・・という余談はおいておいて。
基本的に、保険のおばちゃんも保険に加入してもらうことが目的であり、あなたの生活が豊かになることを目的にしてはいません。
自発的に保険を見直さない限り、基本的にはオーバースペックになりがちです。
必要な保険ではなく、生活が破綻しない程度のぎりぎりを攻めて提案してくるので、誰かの勧めで保険に加入した経験がある方は見直しが必須です。
そもそも、保険が必要なものはなんでしょうか?
基本的に保険が必要かの判断基準としては、「万が一その事象が起こった場合、自己資金では対応できない事柄に対して必要になるもの」です。
最たる例が「自動車保険」です。
自動車事故は自動車を運転する限りは誰にでも起こりうる可能性がありますが、事故が起こらないこともあります。
ただ、一度事故してしまうと億単位の賠償になる可能性もあり得るため、貯金で対応するのは困難です。
このように、万が一起こった場合に自己資金では対応できないものに対して保険を掛けるべきです。
保険と聞いてイメージするものでよくあるのが医療保険です。
入院日額○○円、とか、がんになったら○○円などのあれです。
これは、基本的に不要です。理由は2つ。
- 健康保険でほぼカバーできるから
- 標準治療が最良治療だから
そもそも、日本人は国民皆保険制度があるため、基本的には何かしらの健康保険に加入しています。
よく、入院したら多額の医療費がかかるから保険が必要であると考えている方がいますが、本当にそうでしょうか?
健康保険の制度で「高額療養費制度」というものがあります。
これは、入院などで医療費が高額になった場合、一定額以上については健康保険組合が負担してくれるため、自己負担の限度額が設定されるというものです。
例えば、自己負担限度額が10万円の方が入院して医療費が40万円かかった場合、10万円を超える分の30万円については、健康保険組合が負担してくれます。
さらに、加入する健康保険組合によっては、さらに自己負担が少なくなり、自己負担が2.5万円が上限となる組合もあります。
もちろんこれは医療費なので、入院時の差額ベッド代は別途負担する必要がありますが、生命文化センターが行った調査によると、以下の通りです。
当センターが「直近の入院時の自己負担費用」について調査したところ、自己負担費用の平均は19.8万円となっています。費用の分布をみると、20万円未満が約7割ですが、ケースによっては費用が高額になることもあります。
引用:生命文化センター|入院したときにかかる費用はどれくらい?
この自己負担平均は差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る親族の交通費も含む)なども含んだトータルの額らしいです。
若ければより入院日数も少なくなるでしょうし、若年層であれば20万円用意できれば、少なくとも医療保険は不要であると判断できます。
がん保険の必要性について議論すると、「先進医療特約がないと最大2,000万円もかかる先進医療を受けることができない」という話になりがちです。
保険適用の治療=標準治療
最先端で効果が高くてお金がある人しか受けられない治療=先進医療
というイメージがあるため、先進医療を受けないとがんが治らないと思いがちです。
私も実際先進医療を受けないとがんが治らないと思ってました!
ですが、これは間違いです。
標準治療=最善の治療と解釈すべきと医師も言っています。
NHKの記事を引用します。
標準治療というのは医学用語で英語の「スタンダードセラピー」を訳したものですけれども、英語の「スタンダード」には「いちばん良い」という意味があるんですね、ですので医者が言う「標準治療」というのは「最善の治療」というふうにいっていいかと思います。しかも標準治療というのは日本ではほとんど全て保険適用になっているんですね。
引用:NHK|がんと診断されたら、最初にしてほしいこと
保険適用の治療が最良の治療なので、そもそも先進医療を最初から選択肢にする必要はありません。
つまり、先進医療も不要。がん保険も不要となります。
そもそも、保険を取り扱っている株式会社があれほどの利益を上げて豪華な自社ビルを保有していることから考えても保険は不要です。
あの莫大な利益がどこからきているか考えると、保険加入者の保険料にほかなりません。
なので、自分でまかなえる程度の出費に対して保険を掛けることは統計的に考えてそんな判断をしているということ。
ギャンブルがすきな方に伝わるように言えば、期待値がマイナスの行動をとり続けているということです。
ギャンブルは胴元に利益が出るように期待値が調整されています。
保険も同じとは言いませんが、保険金額>保証金額の関係性が崩れることはありません。
基本的には保険会社に有利な契約を継続的につづけることは期待値がマイナスのギャンブルをし続けるようなものです。
保険見直しのタイミング:見直しを検討すべき時期とは?
前置きが長くなりました。
保険見直しのタイミングは・・・・・
今すぐです!
無駄な保険に加入しているのであれば、今すぐにでも見直してください。
先延ばしにすればするだけ無駄な保険料を支払って保険会社を儲けさせるだけです。
今すぐ見直してください。
保険見直しの準備:まずは現在の保険内容を確認
では、具体的に見直しの方法ですが、まずは現在加入している保険を洗い出してください。
記事執筆時点がちょうど年末調整の時期だったので、このタイミングで保険会社から届いた通知を見返すことで、自分が加入している保険が洗い出せます。(自動車保険は別途探してください)
私は一応年末調整で職場で出した紙をコピーしてあるので、同じようにしている方であればそれを見るだけで把握はできます。
それらを、
- 生命保険
- 医療保険
- 自動車保険
- 個人賠償保険
- 火災保険・地震保険
に分類します。(ほかにも種類があれば分けてくださいね)
具体的な見直し手順:全部解約することを前提に
では、洗い出した保険に対して見直しの手順ですが、前提として全部解約するくらいの勢いで仕分けをしたほうが早いです。
具体的には、生命保険と医療保険はいったん解約の方向で。
そもそも貯金が20万円あれば入院には対応できます。
肌感覚として、100万円貯金をためられればそこからは100万円を下回ることはあまりないため、医療保険は思考停止して解約して問題ないと思います。
生命保険も、必要な分だけかけることが前提です。
必要な分とは、自分が死んだ場合、残された家族にいくら必要か?ということを検討したうえでの必要な額です。
例えば、夫婦と子供が2人で標準的な収入であれば、夫が亡くなった場合、月額15万円程度の遺族年金が出ます。
なので、妻も働いている場合、妻と子2人が生活していく上で、15万円と妻の収入の合計と比較して不足する額について保険を掛けるというのが合理的です。
よくあるのが、死んだ瞬間に1,000万円の一時金が出るタイプがありますが、個人的には死んだ瞬間にお金が必要になるわけではないため、収入保障保険がおすすめです。
私はFWD生命の収入保障保険で私が死んでから65歳まで毎月10万円が妻に支給される契約を組んでいます。
月額2,152円なので問題ない保証であると考えています。
これは私の実体験なのですが、もともと貯蓄型の生命保険に加入していました。
月々19,800円の掛け金で、死亡したら1,000万円の一時金、60歳まで加入して解約すると掛け金全額が戻ってくるというプランでした。
当時私としては「貯蓄しつつ死亡保障も受けられるなんてすばらしい制度!」と飛びついてしまいました。
確か、60歳で解約せずにそのまま放置して65歳で解約すると、107%になって返ってくるという保険商品でした。
投資も本腰を入れておりませんでしたし、強制的にクレジットカードから支払われるため、天引き貯金のようなニュアンスで軽く考えていました。
しかし、今は新NISAも拡充され、投資環境がより良いものになってきています。
貯蓄型保険を分解すると、掛け捨ての生命保険と投資信託に分割できます。
私が入っていた貯蓄型の生命保険を分解してみると以下のようになります。
月々19,800円の掛け金のうち、死亡で1,000万円の保険に加入する場合の月額掛け金が1,000円程度として、残りの18,800円を投資に回すとします。
私が保険に加入したのが25歳ごろだったので、60歳まで加入すると35年後には元本790万円に対して、含み益が2,596万円になります。(年利7%で複利計算)
加入している保険では、60歳で解約すると元本が返ってくるものだったので、
- 貯蓄型保険:60歳時点で790万円の解約返戻金
- 一部を投資:60歳時点で評価額3,386円の評価額
とここまで大きな差がつくことになります。
ほぼ同等の保険内容ですが、自分で運用するのと保険会社が運用するのとで、2,500万円近く結果が変わります。
自動車保険の本質はだれかに危害を加えてしまった際の保険になります。
そのため、自損事故の場合は、保険ではなく自己資金で対応するほうが保険の本質的に理にかなっています。
自損事故の場合、最悪でも全損で新しい車を購入することになりますが、購入できるだけの貯蓄があれば車両保険も不要になります。
あと、これは保険の話ではないですが、車の購入を検討されている場合、残クレはやめておいたほうがいいです。
個人賠償責任保険はいろいろな保険に付帯させられるので重複しがちです。
基本的には、家族の中でだれかが加入していれば家族全員が対象になったはずです。
特に、自転車保険も個人賠償保険と同じなので、洗い出して重複しているものがあれば解約を検討してください。
地震保険は保険の理念からすると加入が必要に思えますが、実際のところ微妙です。
というのも、地震保険は地震があった場合に家を建て直すための保険ではなく、当面の生活に充てるための見舞金的な側面が強いからです。
なので、家を建て直すための資金として保険に加入するという意図である場合、実際に地震がおこったら想定と違うということになりかねません。
とはいえ、家に対して何も保険を掛けないというもの自身大国日本に住んでいる限りは不安なので、私も地震保険については解約できていません。
見直しで節約できた金額と効果:月額約21,000円の節約に成功
では、具体的に私が見直して節約できた額について参考までにお伝えします。
- 生命保険:19,800円/月 解約
- ガン保険:1,630円/月 解約
- 医療保険:2,562円/月 解約
- FWD生命:2,152円/月 新規加入
ということで、21,840円/月の削減効果がありました。
これを新NISAで毎月投資に回すとすると、30年間で元利合計が2,664万円になります。
たかだか2万円強の節約ですが、一度見直せば効果は続きます。
クレジットカードでその分だけ積み立て設定して30年放置したら期待できる結果として2,664万円になっているって夢がありませんか?
保険見直しの注意点:契約解除や変更に伴うリスク
ただし、前提として、最低でも100万円程度の預金がある状態で解約するのをおすすめします。
貯金がないにも関わらず保険を全解約して運悪くがんになってしまった場合、消費者金融で高い金利を払う羽目になる可能性があります。
なお、県民共済であれば月額2,000円で最低限の保険を掛けることができるので、県民共済に加入したうえで今の生命・医療保険を全解約するというのもありですね。
保険の見直しはぶっちゃけめんどくさいですが、一度やれば効果は永続します!この機会にぜひ!